二・二六事件の跡地を巡るラン 練習会報告

26日の練習会にご参加の皆さん、お疲れさまでした。

この日は226日と言うことで東京中心部にある二・二六事件に関連する施設、建物の跡地を巡りました。

二・二六事件は、今を去ること87年前の1936年大雪の226日、陸軍の青年将校が、天皇を間違った方向に導く首相を始めとする政治家(君側の奸)を倒し、天皇を中心とした新しい国の体制を作る(昭和維新)ことを目的に起こした軍事クーデターです。

高橋是清大蔵大臣(元首相)、斎藤実内大臣(前首相・海軍大将)の現職大臣を含む重臣4名、警察官5名が犠牲となりました。

今回のランは青年将校に率いられた軍隊(近衛第3連隊、歩兵第1連隊、歩兵第3連隊)の駐屯地、犠牲となった大臣の邸宅跡、占拠された施設跡などを巡り昭和に想いを馳せつつ、約14kmを走ろうという企画です。

集合場所は日比谷公園、すぐ前に海軍省と海軍軍令部の跡地と大岡越前守忠相の屋敷跡があります。犠牲となった斎藤大臣は退役した海軍大将でした。

海軍省跡地を出発し、次に訪れたのは警視庁。クーデター発生とともに抵抗なく占拠されました。

国会下の坂を登って国会前庭は陸軍省と陸軍参謀本部の跡地です。歩兵第1連隊が占拠し、当時の川島陸軍大臣に天皇陛下への奏上を求めました。

陸軍省の跡地は憲政記念館になっていましたが、現在は取り壊されており新しい国立公文書館+新憲政記念館が建築されています。

ランナーはその後首相官邸横を通り、近衛第3連隊跡地(赤坂サカス、TBS)、歩兵第1連隊跡地(東京ミッドタウン)、歩兵第3連隊跡地(国立新美術館、政策研究大学院大学)、第一師団司令部跡地(港区立青葉公園)などを回ります。

赤坂サカスの奥、赤坂パークビルの前にひっそりと近衛第3連隊の碑があります。

歩兵第1連隊の跡地は防衛庁を経て東京ミッドタウンとなっています。

歩兵第3連隊の建物の一部が国立新美術館別館として残されています。一時は東京大学生産技術研究所として使われていました。

青年将校が君側の奸だとして殺害を謀ったのが、岡田啓介首相(海軍大将)、高橋是清大蔵大臣、斎藤実内大臣などです。
首相官邸にいた岡田首相は側近であり義弟の松尾傳藏氏が間違えて殺害されたため、奇跡的に助かりましたが、岡田首相が右腕として頼りにしていた高橋大臣、前任の斎藤大臣は凶弾に倒れました。

今カナダ大使館の横にある高橋大臣の邸宅跡は高橋是清翁記念公園となっており、高橋翁の銅像もあります。

斎藤大臣の邸宅跡は新宿区若葉1丁目にありますが、マンションが建っているだけで目印になるものは何もありません。

若葉から国立競技場横、原宿駅前を通って一路NHK横にある二・二六事件慰霊像を目指しました。

青年将校の決起は、その企てに反して天皇陛下の逆鱗に触れるところとなり、僅か4日で収束する結果となりました。
この慰霊像は事件の被害者だけではなく、事件を起こしその後一審制の軍事裁判で死刑となった軍人、民間人19名と自決した2名の霊をも慰めるものです。

この日は犠牲者の命日でもあり、線香が炊かれ厳粛な空気が流れていました。

ランはここで終わり、参加者は一旦解散、一部は代々木八幡駅近くの八幡湯で汗を流しました。

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